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自閉症教育の基本的な考え方

명탁이 어멍 2010. 3. 20. 20:26

1.武蔵野東学園の治療教育

武蔵野東教育センターの母体である武蔵野東学園は、創立以来40数年にわたる治療教育の歴史のなかで、2000名に近い自閉症児に対して教育を実践し、彼らの社会自立に大きな成果を上げてきました。現在学園には約450名の自閉症児が在籍していますが、その多くは幼児期に入園して高等専修学校を卒業するまでほぼ15年間をこの学園で学びます。これらの症例の資料の蓄積は世界に例を見ないほどに膨大なものです。本学園では、この長年の資料の蓄積をもとに自閉症児教育プログラムを組み立てており、この教育方法を、自閉症児のための「生活療法」(=Daily Life Therapy)と名づけています。

「生活療法」の特徴は、自閉症児に対し構築されたカリキュラムを通して総合的な生活力の向上を図り、社会自立を促すところにあります。その方法は、一人ひとりの障害の様態を詳細に観察し、「体づくり、心づくり、知的開発」の3つの指導要素にポイントを置いて長期的に多くの経験や刺激を与えていくことで自閉症特有の偏狭な体質を解きほぐし、障害部分を補うとともに内在している秀でた能力を引き出していくというものです。

自閉症の障害が根治するということは現在の医学的原因説からしてもあり得ないことではありますが、当学園には、優れた知能が引き出されて社会適応力が高い水準に達している自閉症児が少なからず在籍しています。高等専修学校を卒業した自閉症児が、自らの能力を最大限に発揮し一般企業に就労し、収入を得ている例は50%を超えます。さらに、企業就労の定着率は85%で、その就労率および定着率は一般に知られる社会的統計の数値をはるかに上回っており、学園の自閉症教育プログラムが高い成果に結びついていることを 端的に示しているものと考えています。


2.自閉症の原因について

これまでの諸研究により、自閉症が何らかの生来的な脳の器質的障害に起因する症候群であるということが定説になっています。したがって1970年代の初め頃までよくいわれた親のしつけ方によるという育児環境原因説は現在完全に否定されています。近年脳の特定部位における機能障害の研究などが飛躍的に進んではいますが確証が得られておらず、障害のメカニズムは医学的にいまだに解明されていません。

これまでに、遺伝子の研究をはじめ前頭葉、小脳、大脳辺縁系-側頭葉、扁桃体など特定部位をその原因とする研究やその他中枢性統合障害説など多くの学説が発表されています。また、近年水銀化合物の体内蓄積が自閉症の原因であるとして水銀を排出する療法が注目されたことがありますが、アメリカの疫学的調査をはじめとする多くの研究やWHO(世界保健機構)の委員会からはそれに対して否定的な見解が発表されており、今後の長期的な研究を待たなければなりません。三角頭蓋の手術についても一時話題になりましたが、三角頭蓋自体が自閉症と関連しているという科学的根拠はきわめて乏しいとされています。


3.自閉症の典型的症状

自閉症の障害の様態は個人差が大きく、自閉症スペクトラムと称されるように重度から軽度、さらに知的障害をともなわない人までさまざまです。自閉症は3歳までに発症し、対人関係やコミュニケーション、興味関心のあり方などについて障害や異常がみられます。

一般的には次のような症状をあげることができます。視線を合わせない、言葉の発達が遅い、エコラリアになったり、同じことばを繰り返したりする、一方的に話す、会話が成立しにくい、視線や顔の表情、体の姿勢や身振りなどの表現が単調で人とのやり取りにこれらをうまく活用できない、喜びや悲しみ、達成感などを人と共有する感覚が乏しい、発達レベルに合ったごっこ遊びやふり遊びができない、想像力や推察力に問題がある、興味や関心の範囲が極端に狭くパターン的である、強いこだわりをもつ、常同反復的な運動をしたりパニックを起こすことがある、などです。

自閉症における感覚過敏や異常もよくいわれることで、特定の音に耳をふさいだりパニックをおこす、特定のにおいや衣服の感触に苦痛を感じる、味覚過敏で極端な偏食になる、視覚的な異常から普通とは違った角度からものを見る、なかには蛍光灯の点滅に苦痛を感じたりする人もいます。また逆に、特定の感覚器官が健常児よりも優れ、生得的とみられる絶対音感やフォトグラフィックメモリーと呼ばれる高度の記憶力、優れた色彩感覚、形式的作業での高い遂行能力を発揮する自閉症児もいます。これらの場合も、総合的な処理能力に欠けているために職業に結びつけることが難しいのが実情です。


4.家庭教育の大切さ

子どもの教育において家庭教育が大切であることは、健常児であっても自閉症児であっても変わることはありません。発達に障害のある子どもさんの場合、専門の医療機関とか療育機関でのケアが保護者の方の精神的な支柱になりますので、家庭で過ごす時間はそれを補助する働きだけのような気持ちになりがちですが、決してそんなことはありません。

子どもたちは生まれたときから家族と寝食を共にし、この家族関係の中で基本的な生活習慣を身につけたり何らかの生活パターンやルールを獲得したりしていきます。戸外での活動や教育のあるなしにかかわらず、子どもにとっての生活の基盤はあくまでも家庭にあって、その成長における家庭生活の果たす役割はこの上なく重要であると言えます。

当教育センターにおける療育の役割をまとめて言うと、各プログラムによる活動を通して子どもの発達を促すとともに、家庭の中で成長が図られるように保護者の方にそのノウハウを提供し、長期的な幅の広い支援をすることによって子どもを家庭や地域社会に返していく仕事であると考えています。それは保護者の方が家庭の本来の機能を果たすことができるようになるための橋渡しの仕事と言えます。 当教育センターで療育をお受けになっている保護者の方には、教育センターとよく連携をとりながら積極的に学ぶという姿勢を持っていただきたいと思います。


5.教育センターの将来的展望

 当教育センターは平成18年度より本格運営が始まり、現状では未就学児および小学低学年を対象とした療育プログラムを実施していますが、受講しているお子さんも毎年年齢が増すわけですので、教育センターの基本的な方針としては、今後、中学生、高校生とその年齢に合ったプログラムを順次展開していくことになります。現在、幼児や小学生を対象に、グループダイナミクスを活用したプログラムや学習など認知能力を高めるプログラムを行っていますが、加えて、今後小学校高学年以上においては特定テーマを設定したプログラムを開発していきたいと思います。

具体的には、自閉症児・者の趣味の広がりに結びつき、彼らの生活の質(Quality of  Life)の向上をはかることにつながるさまざまなプログラム、例えばコンピュータ、楽器、絵画、工芸その他の各種プログラムを開発していきます。これらの活動を通し、各自の趣味を深めるなどして生活の幅を広げることは、豊かな精神生活の向上をはかっていくための基盤になります。さらに、自閉症児・者にはしばしば独特な感覚をもっていたり、ひとつのものに固執・集中したりする傾向が見られますが、この特性を「欠点」ではなく「違い」や「ユニークさ」としてとらえ、伸ばしていくことによって、特異な才能を発揮する人たちが出てくるものと思われます。そうした彼らの能力が周囲の関心を呼ぶことにより、一般の方との交流の場や理解を深めてもらう機会が増えていくことも、彼らにとって大事なことです。

また、成人の人たちにおいてはとくに生活空間が狭くなりがちですので、気安く交流できる定期の場を作ったりイベントを催したりしながら、孤立しがちな彼らの心を癒し、社会参加を促していきたいと思います。

 今後のプログラム開発においては、保護者の皆さまの期待や要望、さらには独自のアイデア提案なども参考にしながら作り上げていきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。